#541  2018年1月18日(木)
思想と志が拓いてきた道

デビュー30周年のベスト盤を作るにあたって、いろんな人達の思いに
触れた日々。始まりの遠い夏の日から共有してきた歌の歴史が形になった。
ビーツの音楽を愛してくれる全ての人にあらためて感謝！ありがとう。

リマスタリング作業が無事終了した。前のアルバム『PROMISED PLACE』の
時以来ちょうど2年ぶりで訪ねたビクタースタジオ。神宮前にあるのだが、
考えてみればこのスタジオにもまる30年お世話になっていることになる。
ビクターからデビューして、離れて、戻って、また離れて、を繰り返しても、
結局どの作品も制作過程の最終局面でほぼこのスタジオのお世話になる。
俺にとってはいろんな思い出が詰まった、思い入れのある場所の一つだ。

初代ビーツ号でリハーサルやレコーディングに通い始めた1988年の頃と
そんなに変化はないようにも思えるが、それはおそらくある程度定期的に
ここに来る機会があるからそう思うだけで、実際は周辺の景色等も含めて
いろんなものが時代に沿って変化している。その最たるものと言えば、
スタジオのはす向かいにある、現在建設中の新国立競技場だろう。
去年見た時はまだフェンスの向こうで基礎工事みたいな感じだったのが、
今回は見ようとする前に勝手に目に飛び込んでくるほどの巨大な建造物が
その圧倒的な威容を現していて驚いた。長年見慣れていた旧国立が更地に
なった時も結構なインパクトだったが、今回の衝撃はそれ以上だったな。
スクラップド＆ビルド。時は確実に流れていて、全てのものは変化する。

人もまた生きている以上当然変化し続けるわけだが、実は不変のものがある。
変わらないものとは何か。何が自分の個を個として成立たらしめているのか。
それは、各個人個人の中にあるその人その人なりの『思想』と『志』だ。
意識するしないに関係なく、人は己の思想と志によって人生の方向が決まる。
自分の幹たる思い(思想)が己の行動の指針(志)になり、人生を紡いでゆく。
道は最初からあるのではなく、歩いた所が道になるだけのこと。話は簡単だ。
更に、『不変』だからこそ逆に何を吸収するも進化するも全くの自由という
実に素敵で重要な原則をも併せ持つ。だからあなたは何も恐れる必要がない。

以上は、ある人から最近受けた相談に対して俺が話した内容の一部。
相手は俺の詞や言葉を通して俺の人生観やそれこそ思想に触れている人。
だからスッと心に染みてくれたのだろう。プラスになっていたなら幸いだ。
わりと90年代頃からそうなのだが、やはり特にはここ数年ほどだろうか、
依頼者の求めに応じて直接に話を聞いたり何らかの『言葉』を提示したり、
単に茶飲み話をしたり(笑)というような私的な仕事の機会も増えてきた。
勿論ある程度の信頼関係が築けている相手に限っての話ではあるけれど。
人生の様々な局面でヒントや言葉を欲する人からの需要があるということだ。
2月のライブが終わって落ち着いたらまた時間を作れると思う。皆もときに
自分の思想と志って何だ？って自問してみるのも悪くないかもしれないよ。

さぁ！来週にはいよいよ春のツアースケジュールが発表になるとのこと。
今年1年かけてやり上げるデビュー30周年ヒストリーツアーの第1弾だ。
ベスト盤の全容も漸くみんなに伝えることが出来る。楽しみにしてて！


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