OKI'S DIARY 2002
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#692002年12月03日(火)

まず12月1日の京都ミューズホールのお客さん達へ。開場・開演時間が大きく遅れた事と俺の声が酷い状態だった事、本当に申し訳なかったです。と、同時にあのライブに最後までつきあってくれたことと、特別な意味である種の素晴らしさをもって同じひとつの時間を共有する事ができたことに心から感謝しています。 もはや歌とは呼べず詩の絶叫でしかなかった「NAKED HEART」や「こんな時代の真ん中で」、そして「十代の衝動」や「約束できない」。誤解を恐れずに言わせてもらえればとても貴重な体験をさせていただいたと思っています。真の意味で”ライブ”とは何なのか、人前で他人に対して身をさらして何かを伝える事の意味とか、そんなことを改めて深く感じることができました。とはいえセットリストから外さざるを得なかった曲の事を思えば、「新型キャデラック」や弾き語りの「天使の憂鬱」くらいでは埋め合わせできたとはもちろん思っていません。次回必ずカタキをとりたいと思います。
それから、それ以前の11月24日のロフトイベントに来てくれたお客さん達へ。あの日はリハーサルはもちろん本番に至る直前までもまったく何の問題も起きておらず、突然本番2曲目の「叫ばなければ」でああいう(声の出ない)状態になりました。本人も含めてまったく誰も予期していなかった事態だったうえに出演時間も短く、立て直す事ができないまままったく不本意なまま終了してしまいました。あのライブに関しては何ひとつ弁解の余地がありません。ひたすら情けない限りで悔しさのみが残りました。あの時間をとり返す事はできませんが、13日に再び”SET YOU FREE”のロフトイベントがあるので何とかせめてものカタキはとりたいと思っています。お客さんと期待してくれた関係者全員に申し訳なく思っています。
ロフトイベントの翌日かかりつけの医者に診てもらい応急処置と投薬で中3日で臨んだ福岡、そして広島でのライブはまったく問題なかったのですが、京都で再びああいう状態になったというのがここまでの経緯です。今日も診てもらいましたが、次の名古屋、静岡まで中6日あるので今度は完全に回復してから歌う事ができるのでまず問題ないとの事でした。間違いなく安心してもらっていいと思います。
さて俺の喉と声帯の状態について詳しく説明したいと思います。まず風邪とか扁桃炎といったものではないので痛みとかつらさといったものは一切ありません。つらいのを無理して頑張ってるということではないのです。原因は一言で言ってしまえばポリープなのですが、それも皆さんが想像しているものとは少し違います。以下、医者になり替わって説明するのでよーくきいて下さい。
皆さんもよく知ってのとおり俺の声は人とは違う独自のハスキーボイスです。実はこの俺の声そのものが「ポリープ様声帯」(または「ポリープ状声帯」)という状態によって生み出されています。きれいな声の人の声帯というのは左右の膜が閉じる時にぴたっと閉まるのですが、俺みたいなタイプの声の人は左右の膜の合わさる部分がギザギザできれいに閉じ切らない。それでもともとこういうハスキーな声がでるのだそうです。ギザギザ具合も人によるのでハスキーにもいろんな人がいるってわけです。「6年前から患って...」というのも微妙な誤解で、6年前、正確には’96年2月ですが突然何の前触れもなく、ライブもやってないのにまったく声自体が出なくなった時があってその時にいろいろと詳しく検査とかしてもらってそういう自分の喉の状態がわかったという事です。声が出なくなるというか声として発声する成分がうまくでなくなるという感じで、その要因は疲れとか乾燥とか悪条件が重なって声帯のギザギザがうまく折り合わなくなるような、いってみればそんな事です。手術をすれば当然声のキャラクターが変わってしまう可能性があるので6年前もそうでしたが今回も手術はしない方向で先生とは話をしています。今回は「発声過度」(つまり歌い過ぎ)でもともとの「ポリープ様声帯」に加えて少し腫れが出ていて発声の邪魔をしていると。発声を控えれば回復するが、回復しきらないうちにまた極度な発声を繰り返すと障害を起こす可能性があるという事でした。あととにかく乾燥が良くないので加湿に気を配れと。(俺のエアコンぎらいは実はそのためでもあるのです)ただその腫れもひどくなればそれ自体が新たなポリープになって発声に障害を及ぼす危険があるのでとにかく上手につき合っていくしかないという事です。つまりもともと喉に爆弾を抱えている身であって、今回6年ぶりにそれが少し炸裂してしまって皆さんに心配をかけてしまったというわけです。申し訳ありませんでした。
だから皆さんが心配されたような長期に渡る静養だとか手術で完治というようなことではないので安心して下さい。もちろん満足に声も出ないライブを繰り返すわけにはいかないので来年は少しセーブしてライブ本数を多少減らす方向にはなるかもしれませんが、いずれにせよ俺はこの自分最大の武器であるこの俺の声と末永くつきあってゆくつもりです。とりあえず次の名古屋までおとなしくしておきますので、どうしても心配な人は名古屋まで様子見にきて下さい。(ってわけにはいかないか!?)以上、長々読んでくれてありがとうございました。次も必ず皆さんに楽しんでもらえる最高のライブにしますので期待して待っていてください。

■INFORMATION:フリーペーパー『ON AIR MUSIC ECHO』12月号にOKIのインタビューが掲載されています。ON AIR WEST他全国ライブハウス、CDショップにて無料配布中。
http://www.onair-web.co.jp/hall でも読めます。


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